気ままに・・忘れないように・・

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zoom RSS 義父の豆まき

<<   作成日時 : 2008/02/01 21:17   >>

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12月から入院をしている義父が、1月26日に病棟を替わり個室に移った。
それまで、泊り込みで付き添いをしたいと願いながら出来なかった義母は、それ以来、毎晩病室に泊り込むようになった。

2月1日、その義母の疲れが少しでも取れればと、仕事の余裕が出来たので休みをとった私だったが、午前中は普段手抜きをしてる家事をして、義母の3食分のお弁当を作り、お昼には私が在宅と知った友達から電話が入りランチまでして、病院に出かけたのは結局、お昼過ぎだった。

この日は病棟の豆まき。
丁度行った時、鬼に扮した医師三人が患者さんの個室を訪問している時間で、この病棟には珍しい賑やかな歓声を聞きながら義父の部屋に行くと、この部屋に移る前日までは元気で、家に帰ると私たちを困らせていた義父が、移った当日から発熱、容態が悪化し、この日も口も利けず目を閉じてベッドに横になっていた。

それでも、遠くから聞こえてくる賑やかな豆まきの笑い声は義父にも聞こえているような気がして
「おじいちゃん、もうすぐここに鬼がくるそうですよ」
と、私は義父に話しかけたが、「鬼」という言葉がなんとなく縁起が悪いような気がして、
「今日は、ここの豆まきやでね。もうすぐここにも鬼が来るから、去年悪いことばっかりだったからお祓いしてもらいましょうね」と言いなおした。

義父は私の言った事がわかったのかもしれない・・
この時、少しだけ表情が変わったような気がした。

そして、序々にその声が近づいてきた頃、
「ほら、聞こえる?もうすぐ来るよ!」
と、言うと、こんどこそ義父は、目を少し開けてフッと笑った。

この病棟に移り容態が変化してから、こんな風に表情が嬉しそうに変化したのは初めてのことで、私も嬉しかったし、義母もそんな義父を見て、嬉しそうに笑っていた。

そして、いよいよ部屋に鬼が!!と思いきや、突然で驚かさない為だろう、裃を着た若い男性が、
「Tさん、これから鬼が来ますからね。一緒に豆を撒きましょう!」
と、義父の耳元で話かけてくれた。

傍に立つ義母は枡に入った豆を渡されると、恥ずかしそうに
「私が撒くんかい?」
と言いながらも、嬉しそう・・
後の義妹の話では、家で豆まきをしていた頃、義母は撒く係りはしたことが無く、片つけるばかりだったそうで、この日は嬉しかったのかもしれない。

義父はといえば、その若い豆まきの男性が声をかけてくれた時から、うれしそうにニコニコして、その人の顔ばかり見ている。

こんな環境での豆まきという行事に少ながらず違和感を持っていた私だったが、病気の痛みや闘病の辛さを、患者も付き添う人も忘れることができる、そして、何より忘れかけていた季節を感じることができるひと時なのだということに気づかされた。

その後、いよいよ、3人?の鬼が、
「うぉー」
と入ってきたが、肝心の義父はそちらを見ず、豆まきの男性ばかり見て、ニコニコ・・
「ほら、おじいちゃん、鬼だよ!」
と私が言っても、そちらを見ず、結局最後までその調子。

最後に撮ってもらった鬼やスタッフとの写真を見ても、義父は隣に立っている男性を仰ぎ見て笑って写っている。




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